似かよったモバイル回線、料金(安さ)で決めていいの?
よく考えて・比較検討したうえで安いプランを選ぶならいいのですが、料金の安さだけでプラン即決は早計です。モバイル回線の種類が違うと条件の表現や名前が似通っていても。実際の条件内容が異なるケースがあります。
例えば通信制限の有無。
無線インターネット回線で通信容量による速度規制があるのは常ですが、果たしてそれは通信容量制限なのでしょうか? 無制限に使えると表現する会社もあれば、制限があると表現するようになった会社もあります、同様に速度規制があるのにもかかわらず。契約条件に対する会社による表現の違いには注意しましょう。
あと一つ例を挙げると、契約先(本家かプロバイダ・MVNOか)の違い。
ワイマックスでもワイモバイルでも、本家契約(UQ:ユーキューやY!Mobile:ワイモバイル)以外に多数のプロバイダやMVNOで、という契約方法があります。そして通常ではプロバイダなどで契約するほうが料金が安い傾向があります(キャッシュバックやタブレットセットにお得感がある)。
でも、本家回線とはサービス提供方法が違うため、オプションなど使えなくなるサービスがある事は知っていますか?例えばMVNO契約のワイモバイルでは海外で使えませんし、プロバイダ契約のワイマックスでは新幹線で車内Wi-Fi(UQ Wi-Fi プレミアム) が使えない可能性があります。条件の違いは事前によく見ておくべきです。
細かな違いを侮(あなど)ると大きなリスクとなる
これ以降では、ワイモバイルとワイマックスの違いを比較してみましょう。
国内利用だけ考えても、ワイモバイルとワイマックスでは高速データ通信プランとしての顕著(けんちょ)な違いがあります。その代表的なものは「パケット追加」ができるかどうかです。
両者とも月7GBの標準的なプラン以外に3日で3GBの特別プランがあります。ワイマックスはギガ放題プランをかなり前から実施していましたが、ワイモバイルはつい最近まで3日で1GB制限を3日で3GBに変更しましたので、名目上は両者の条件は同じになりました。
ワイモバイルではそれ以外にスマートフォン契約のような「パケット追加」ができますが、ワイマックス(WiMAX 2+)ではできません。つまり料金を払えばパケット量を追加できるかどうかという利便性の有無、逆にパケ死のリスクの有無といった違いが両者にはあります。
幾つかの相違点を考えてみる | ワイモバイル vs ワイマックス
料金や速度、回線品質(つながりやすさ、国内エリア対応度)以外の両者の相違点。代表的な違いをいくつか指摘しておきます。
契約期間
2年契約が両者とも主流だが、3年契約や4年契約もある。機種や特殊プラン、スマホ割引などの差異から期間の違うプランが存在。
- 支払い方法
ワイモバイルは原則としてクレジットカード払いのみ対応。ワイマックスではプロバイダで口座振替を選べる大手プロバイダが幾つかある。ユーキューも対応。
- 国外利用
ワイモバイルは本家回線契約なら国際ローミングが利用可能。ワイマックスはWiMAX 2+になってからは使えるところが皆無(国内利用のみ)。
- パケット追加
- ワイモバイル:標準モード(月7GB)では+500円で500MB毎追加可能。
- ワイマックス:WiMAX 2+でもau 4G LTEでもパケット追加はできない。
- 3日で3GB
- ワイモバイル:AXGP「アドバンストモード」(機種は305ZTのみ)
- ワイマックス:WiMAX 2+「ギガ放題」(すべての機種で対応)
- メールアドレス
ワイモバイルのPocket Wi-FiではY!Mobileのメールアドレス、すなわち ヤフージャパンのメアドが無料で使える。ワイマックスはプロバイダ契約なら通常は そのメアドが別料金で含まれてる。ユーキュー自体はメアド無し。
- 公衆無線LAN(有料/無料)
- ワイモバイル:EM Wi-Fiスポット by エコネクト(別料金)
- ワイマックス:au Wi-Fi Spot (※他、UQ Wi-Fi プレミアムやWi 300)
IPアドレス
ワイモバイルはローカルIPアドレスのみ、ワイマックスはオプションでグローバルIPアドレスに変更可能(ただし主にユーキュー本家契約のみ)。
- 中途解約時の機種代金残債
中途解約時の残債については、ワイモバイルは厳格(高め、解約時の残存期間に関連した料金体系)だが、ワイマックスでは違約金の一環として追加請求。
料金以外の条件をしっかり考慮して、安全確実に契約
料金以外の違いを良く見比べてみると、あなたがどちらの高速データ通信を利用したらよいかがハッキリ見えてくるはずです。ワイモバイル vs ワイマックス。
Y!Mobile なのか、WiMAX 2+ なのか。
高速データ通信では高速化するほど周波数帯では速度に有利な高周波数帯(2.5GHzなど)の比重を高めてきています。たとえばワイモバイルはかつてワイマックス(2.5GHz)より室内利用では有利でしたが、アドバンストモードでの回線:AXGP(3.9G)ではWiMAX 2+と同様の2.5GHz 帯域を利用していますので周波数による差がほぼなくなりました。
通信制限についても、ワイモバイルは2014年頃までは3日で1GB制限だったのを、携帯・スマホ主要キャリアが3日で3GB制限に上方修正したのに追随したのか、とうとう3日3GB制限に踏み切りました。
つまり月制限を直接には定めていない両者すなわち、ギガ放題(WiMAX 2+)とAXGPアドバンストモード(Y!Mobile)は、両者ともに3日で3GB制限という条件では等しいのです。両者とも上手に使えば月30GB前後のパケット容量が使えるプランですが、3日3GB制限が実際どのように実施されているかは、既に使っているユーザーだけが体験しています(ここでは敢えて話しませんが、他で少し触れるかも)。
ともあれ、料金や回線品質・通信制限などで名目上の違いが少なくなった以上、料金以外の諸条件をしっかり考慮した上でどちらかのデータ通信回線を選ぶべきです。